夢見ノ朝花 ~蒼い旅立ち~

夢見ノ朝花   ~蒼い旅立ち~
店を出てから、僕は、一旦家に帰ることにした。 家は町外れの、俗に言う貧民街である。 ドアは無いし、雨漏りはするし、壁はボロボロなのですきま風は容赦なく入ってくる。   旅に行くにしても、下準備が大切だ。まあ、大したものは無いので、少しの有り金と食料があれば十分だろう。 茶色の麻布の袋に入ったお金と干し肉などを年季の入った色褪せた鞄に詰め込み、腰に短剣を差す。 「よし、と」   珍しいのか、リーエラは家中をキョロキョロ見渡している。
夜桜弦音
夜桜弦音
【よざくら おと】といいます。 主にファンタジー小説に力を入れております。 読んで頂けたら嬉しいです𓅫⸒⸒