終電

終電
今日もまた、私は終電を逃した。 「あぁ……まただ……」 ホームまで全力疾走したダメージが今になって襲ってきた私は、ホームのベンチに重い腰を下ろす。 家に帰る手段を無くした私は、仕方なくタクシーで帰ろうと思いホームを出ようとした。 その時、向かい側のホームに若い男性会社員が立っていた。 その男性はその場にじっと立ったまま微動だにしなかった。
アレックス
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