揺れた幻想、写せ幻灯
秋、僕らは2人で景色を撮って歩いていた。ほんとは他にすることがあるかもしれないけど、した方がいいことなんていっぱいあるかもしれないけど、僕はこの時間こそが生きるということ。
突如、慣れない冷たさを纏う鋭い風が景色を揺らす。生きている世界を、楽しむような、そんな風。揺れる木々。僕は迷わずシャッターを切る。保存した景色のすみに、空を眺める君がいた。笑顔が綺麗で、見とれるほどに景色と重なり揺れていた。
「残せるものなんてあるか分からないので」
君が言ったその言葉がやけに心に残り、どういう意味なのか、何を思って言ったのか深く悩んでしまう。君は笑って、
「なんでもないよ」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2023/8/7 22:42
ららのーと
大学1年。初小説2022年9月21日
暗めの話が多い人。