夏のみずいろ

夏のみずいろ
ジリジリと焼け付くような夏の太陽は、無慈悲にも僕らの頭上からまるで蟻でも見るかのように眺めている。 少しぐらい雲がかかってくれてもいいと思うのだが、生憎今日は雲ひとつない晴天だ。 少しでも涼しい場所を探して僕は友人と近くの山の小川を目指して歩いている。家が一番涼しいと言えば涼しいのだが、夏休みは家族が揃っていて少し居づらい。自分の部屋を持っていない僕は同じ思いをしているであろう友人に声をかけたのだ。 アブラゼミの鳴く声があたりの熱気と共に僕らを撫ぜていく。この声を聞くだけでも暑い。滴り落ちる汗は少し湿った地面に落ちて消えていく。 「まだ着かねぇの?」 暑さに耐えかねた友人が僕に尋ねた。 「あと少しで着くさ。それよりラムネ、どっかに落っことしたりしてないだろうな」 と答えた。
星影 累
星影 累
勢いと思いつきで書いてます。 文才とかないです。 小説家とかを目指してるわけじゃないのでクオリティは求めないでね…笑 アイコンは自分絵