あやかし新婚日記 三日目「料理と気持ち」

あやかし新婚日記 三日目「料理と気持ち」
「ごめんくださいー。雪ちゃんいますかー?」  私は旅館の玄関で立ち止まって彼女を呼んだ。  雪女の雪音ちゃんで通称雪ちゃん。私の幼馴染だ。小さい頃から二人でよく遊んでおり、それなりに信頼している仲だ。私が春明さんのお嫁さんになると決定した時も、一番初めに駆け付けてくれたのは雪ちゃんだった。それくらい、彼女は私のことを心の底から心配してくれているのだ。 「はーい」  明るい声が聞こえてきた。雪ちゃんの声だ。  旅館の奥から白い着物を着た雪女の少女がやってきた。氷色の髪を束ね、着物の袖を紐で結んでいる。 「紗代ちゃん! 久しぶり〜」 「雪ちゃぁん!」  私は思わず彼女に抱きついた。ひんやりと冷たい彼女の温度が心地よい。 「どうしたの、紗代ちゃん? 何かあった?」
白崎ライカ
白崎ライカ
アニメとかファンタジーが好きで、とうとう小説に手を出してしまいました。 最近はノリと勢いで詩をよく書いています! 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 すごい今更ですが、誤字癖があります。 どうか温かい目で見て下さると作者は喜びます! 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! よろしくお願いします〜