色盲
私、西崎静は、色がわからない。
夜中に開けた、冷蔵庫。その光と、アルミ缶の重みだけが、視界のすべてだった。夜はいい、冷えるものがある。ぺたり、足の裏を合わせて、月を眺めた。ベランダへ、煙草吹かしてみれば、先は燃えている。それが、なんの情緒を示しているか。
世界とは、こうも残酷だ。
昔、絵を描いた。それは、好きなことの一つで、丸く丸く、ひたすらに丸を描きながら、渦巻いていた。ただ、その渦たちは、けして人好きするようなものではなかった。画材が、こちらを恨めしく見つめながら、告げた。私は、ひそかに、油を足す。そうして、べっとりと手のひらに、絵の具。項垂れて、過ちを認めなければならなかった。誰に言われた訳でもない、紛れもなく画材が、それを代わりに言った。
ネオンは、まだいい。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/7/26 17:00
最終編集日時: 2024/7/26 17:15
西崎 静
コツコツ書いていきたいと思っております。よろしくお願いします!成済