BELL 15. Rock N Roll 3

BELL 15. Rock N Roll 3
「響きがいいだろ?」 ラッキーがストライク。そう言って翠里は葵生の額にデコピンを一発食らわせた。 「イッテ」 「わはは!」 放課後、手書で書いたテニス部、の、立派な幽霊部員だった葵生は、テニスコートを避けるようにして遠縁沿いの来客用駐車場を抜ける。 翠里は今日はやけに機嫌が良かった。翠里の機嫌が良いこういう日は、絶対何かある。ーーーまあ、だいたい悪い事。悪ガキどもとまた出くわさなきゃいいけど、と葵生は深い溜息をついた。 自分に聞こえない鼻歌を歌いながら、翠里はくるくる回ってステップを踏んでいた。右手にはどこで手に入れたのだろう、煙のひとすじ。
つばめ
つばめ
活字中毒 お酒と煙草と珈琲が好きな成人済。 食えねえ文章ばっか書いてます。 オタクじゃないけどオタクみたいな話し方してしまう病。あとこころの病持ち。夜になると黒くなります。気に障ったらごめんね。悪気はないからタチ悪いね。悪いようにはしないんで よろしゅうお願いしやす Novelee:: 2024.08.22-