魔王城の階段
あぁ、またか。
大きく禍々しい扉を決意に満ち溢れた顔で開け放ち、僕に向かって歩いてきた。
来ないで、来ないでよ。もう、人間の悲鳴もモンスターの悲鳴も聞きたくないよ。
この段差をもっともっと高くして、この子を通せんぼできたらな。
僕は、魔王城の階段。城内の高低差を繋ぐ、勇者と魔王を繋ぐ…そんな階段。
僕は、この役割が嫌だ。何回も踏まれて体が痛い、とかそう言うことじゃない。生きていないから、痛覚はない。
ただ、心がある。だから、心が痛いんだ。
どうせ今僕の真上を歩くこの子だって、魔王に殺される。人間の悲痛な叫びがこの城内に木霊する。後々この子が殺されたを知ったこの子の家族が、復讐にやってくる。そしてまた、魔王に殺される。そうやって繰り返していく。
もう嫌なんだ、そんな悲しいループは。
「階段」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2024/8/5 10:23
鴉君。
カァー。こんばんは、カラスです。
とある通信制高校に通う鳥頭です。
投稿も反応もウルトラ激遅です。がんばります。
自分の作品に一つもいいねを押さずにフォローしてくる人は信用してませんのでご了承下さい。
Twitterもやっております。絵を載せてるだけですが良ければ。