魔王城の階段

あぁ、またか。 大きく禍々しい扉を決意に満ち溢れた顔で開け放ち、僕に向かって歩いてきた。 来ないで、来ないでよ。もう、人間の悲鳴もモンスターの悲鳴も聞きたくないよ。 この段差をもっともっと高くして、この子を通せんぼできたらな。 僕は、魔王城の階段。城内の高低差を繋ぐ、勇者と魔王を繋ぐ…そんな階段。 僕は、この役割が嫌だ。何回も踏まれて体が痛い、とかそう言うことじゃない。生きていないから、痛覚はない。 ただ、心がある。だから、心が痛いんだ。 どうせ今僕の真上を歩くこの子だって、魔王に殺される。人間の悲痛な叫びがこの城内に木霊する。後々この子が殺されたを知ったこの子の家族が、復讐にやってくる。そしてまた、魔王に殺される。そうやって繰り返していく。 もう嫌なんだ、そんな悲しいループは。 「階段」
鴉君。
鴉君。
カァー。こんばんは、カラスです。 とある通信制高校に通う鳥頭です。 投稿も反応もウルトラ激遅です。がんばります。 自分の作品に一つもいいねを押さずにフォローしてくる人は信用してませんのでご了承下さい。 Twitterもやっております。絵を載せてるだけですが良ければ。