第六話 希望

「喉から手が出るほど欲しい」 笛の音が体育館に残響している。ボールはまだ空中に。ボールはもう少しでリングに入る。そして、リングに沿って一周、二周と回って赤いリングに吸い込まれていった。歓声が沸きあがる。思わず俺も叫んでしまう。雄叫びのよう、他にも称賛と聞こえる声もあった。 とにかく、今は“八五ー八六”でリードしている。みんなで掴み取った一点、絶対に守らなければいけないと思った。ベンチに戻ると、まだ歓声で賑わっていた。そして、大野さんはフリースローを決めた俺のことを褒めてくれた。痛みからか少し顔が腫れ、赤くなっていた。興奮もあったのかもしれない。 第四クウォーターが始まる。さっきのような気の重さは全くなかった。しかし、なんでか俺は凄く緊張していて、胸が高鳴った。 (この一点は絶対守り抜く) 次回 第七話 仲間
川布
川布
中学受験期真っ只中の小6! 特に将来の夢とはありません((>_< ;) でも、じゃんじゃんマジレスして下さい! (ドMではありません) 主に連載をしています。 基本的には1日1話分ですが、気分がノッていると、1日3話とかもあります。毎日投稿は一応できる限り続けるつもりですので。 ちなみにフォローは遠慮なく☺️ もちろんフォロバしますよ!