童話の主人公 3話

「それでは、今から説明をさせて頂きます。」 三田、と申すその人は表情をピタリとも変えぬまま話し始めた。 「ここは空想実現世界、といい、ここに来た人がその人に合った世界を体験することができる世界になっています。簡単に言うと、我々空想実行委員が古川様に今必要だと思った世界、に古川様が入り込む事ができる、という事です。」 は?何言ってんだこの人。 「古川様は今、大変お疲れのようですね。そんな古川様が元の世界に戻った時にはきっと、今よりもずっと元気になると思います。」 「ちなみに古川様に今必要な世界は…童話…のようですね。」三田さんはタブレットのような形をしたものを見ながら言った。 「それでは素敵な旅をどうぞ、お楽しみくださいませ。いってらっしゃ〜い!」 「え⁈ちょっと、あ…」 その時、時空が何となく歪んだような気がしたが、またもや私の意識はそこで途切れてしまった。
小枝
小枝
たまに投稿します。 一話一話が大体短いです。 初心者ですがよろしくお願いします!