ドナドナ

ある晴れた昼下がり。 日が昇る頃の体育館は特に生ぬるい。 そこにあるのは、無機質に並べられた卓球台と、 その周りで、溌剌とした手脚を体操服にちらつかせて、 手に持つラケットを振っては一喜一憂の表情を浮かべる学生達。 窓からは、熱くも鋭くもない、まろやかな秋の陽光が 四方からぽっと降り注いで、そこらに植えられた観葉植物の 人工的な、あざとい赤と橙の葉の表を白く輝かせている。
後川
後川
書きたいときに書くので、1,2ヶ月に2本程度しか書けません。フォローしてくださる方、ありがとうございます