昏い瞳

刺さるような日差しがふりそそぐ真昼間 こんな暑い日に授業を受ける気にもならず俺は学校の裏にある公園に来ていた ここは学校の陰となっていて比較的涼しい 普段誰もいないこの場所に今日は珍しく先客がいた 風に揺られる黒髪は細くしなやかで白く透き通るような肌の彼女はどこか儚げだ 虚空を見つめる瞳は暑さを忘れさせるほど昏く、まるでこの日差しが見えていないようだ 今にも消えそうな君が俺には美しく見えた どんなものも寄せ付けないその瞳に 俺の心は吸い込まれていた
宙