夏は、何も言わずに終わる

いつからだろう。 夏が来ることを、待たなくなったのは。 子どもの頃の夏は、季節というより、ひとつの大きな約束だった。 七月が近づけば、教室の空気まで少し浮ついて見えた。 夏休み、プール、お祭り、花火。 まだ何も始まっていないのに、夏というだけで、これから何か楽しいことが起こる気がしていた。
宵依 (よい)
宵依 (よい)
04(22)|元保育士 日常と記憶、ときどき空想。 こぼれ落ちそうな気持ちを、文章に。 エッセイ|詩|短編・連載小説 誰かの心に、ひとつでも残る言葉を。🌙