序章

序章
小学6年生の時ある先生に出会った。今年入ってきたばかりで見た目は五十代前半のおばさんに見える。あまり良い印象はなかった。声が大きくて必要以上に鼻濁音が大袈裟に聞こえる話し方だった。このときクラスのみんなこう思っただろう。(小学校最後なのにこの先生か、)と。その人の口癖もよく覚えている。授業中居眠りや、ぼーっとしている生徒を見ると必ず「そんな暇があるなら世界平和について考えなさい。」というのだ。 1月。もうすぐ卒業式なのにも関わらず、僕たちのクラスはその先生をいじめだした。誰も止めなかった。 先生は学校に来なくなった。 代わりに教頭先生が担任を持つことになった。 卒業式当日もその姿を見ることはなかった。
夜の住人
夜の住人
夜更かし好きの学生。 あなたも夜の住人になりませんか? すべて実話を元に短く書いています。