水たまりのお客さん

水たまりのお客さん
僕はいつものようにハンドルを手に夜の街を走っていた。2年前タクシー会社に就職したからだ。年寄りのおじさんが多い会社に入ったため若い僕の存在を嬉しそうにしていた。なので、僕は夜のタクシー担当になる。そりゃあおじいさんが夜道走るのはちょっと危ないよなと僕は静かに納得した。 ふと、そんなことを思い出しながら運転してたら 雨が降ってきた。 「雨でお客さん増えるかな」 きっと傘を忘れた人が乗り込んでくるだろうと僕は、近くの駅を目指す。その時、暗闇の中に人影が見えた。僕は、思わずスピードを落とす。 その人は、僕のタクシーを見て、ゆっくり手を上げた。 「え?」 僕は、その人の前でタクシーを止めた。 「すみません。タクシー乗ってもいいですか?」
ゆるる
ゆるる
本好きのゆるるです。 恋愛系 切ない系の物語を作りますゆるるの作品が貴方の心に灯ってくれると嬉しいです🌷✨ 🫧〜詩〜🫧 花の香りにふと撫でられ私はぽつりと風になる 優しさと美しさが光となって貴方に吹きますように。私の吹く文字という風が貴方の心の紙を奏でることを静かに願います 今日も私は物語を描いていく