星の名前
「なあ、ヨウ。人は死んだら星になるそうだ。君はどう思う?私もいつかあの星々のうちのひとつになると思うか」
夜空を眺めながらハルノは言った。五つ歳上の彼女はよく哲学めいたことを言い出すが、中学生だった僕には理解できないことが大概だった。
「…分からないよ。でも」
「なんだ?」
「ハルが星になったら、僕が必ず見つけるよ。将来は天文学者になるから」
「ははっ…そうか。嬉しいね。じゃあ見つけたら、私の名前をつけてくれよ」
ハルノはひどく愉快そうに笑った。その笑顔が、ずっと僕の目に焼き付いている。
「ヨウ先生!起きてください!観測始めますよ!」
「…ああ、悪い。今行くよ」
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2021/10/17 15:02
白本竜也
短編を書いてます。
Twitterでは140字小説を主に色々と。
よろしくお願いいたします。
Twitter: @shiramoto_140