百卌字奇譚 伍拾壱

百卌字奇譚 伍拾壱
 寝返りをうち、今度は背面から涼をとる。  コンクリートの寝心地にも慣れてきたことに軽い笑いがこぼれる。 「夏はいいな〜」  間延びさせた声で派手な反響を楽しみつつ、足枷に溶接された長い鎖を手繰り寄せる。それを束ねて抱きしめて、彼の痩躯と鼻血の匂いを思い出す。  待つ幸せが心を満たしていく。 『愛の獄』
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