ブルースターをつづる 序章①

ブルースターをつづる 序章①
「めっちゃ混んでる……」  つぶやきと、ついて出たため息。すぐに、パンやお弁当を求める生徒らの喧騒で、かき消される。 (購買、初めて来たけど……どうしよう、混みすぎ)  早く入らないと売り切れてしまうのは分かっているが、それでも足が動かなかった。  この購買の中の半分以上が、【あの人】と同じ性別なんだ。そう考えるだけで、椎菜の胸はざわついて、足が動かなくなる。 (もう少し空くまで、ここで待っていよう)  自分の臆病さにあきれながらも、椎菜は廊下の隅でじっと待機することにした。
はむすた
はむすた
森の奥でひまわりの種もぐもぐしてる、ハムスターです。 人間語も読み書きできるのでご安心を。 細かい自己紹介は、はむすたるーむと、100の質問とか見てもらえると嬉しいです。 アイコン・(し)ょうじょめ~か~ さま (*・×・*)♡ since 2022.11