海月の骨

海月の骨
第四章 夏の終わり 夏休みが終わると、瑠璃はまたどこか遠くへ行ってしまった。彼女の父親の仕事の都合で、転校が決まったのだ。別れの日、彼女は私に小さな包みを渡した。中には、あの「クラゲの骨」が入っていた。 「これ、凪夜にあげる。私の心の一部だよ。忘れないで」 私は泣きながら頷いた。瑠璃が去った後、教室の窓から見える海は、どこか色褪せて見えた。
くろねこ
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主に百合小説を書きます 甘酸っぱいひと時の青春