私が私であるために
彼は私が望む言葉を、まるで売れる占い師のように当ててしまう。
それは決まって必ず「私が私である」ことを忘れてしまいそうな時。
彼の一言一言が、雫になって、私の心の皿に優しく落ちてくる。
それが形を変え、揺れを無くし、心の皿に殉ずることを決めた時、私はこれほどまでにない心地良さに包まれる。
いつかこの皿に溜まった雫が溢れ出してしまったら、私は「私が私である」ことを完全に忘れ、その快楽と中毒性に甘えてしまうのだろうか。
いつか雫が落ちることを忘れてしまったら、私は不安と悲しみに暮れ、物欲しそうな顔で雫が落ちてくることを期待し、見上げているのだろうか。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2022/11/10 18:29
最終編集日時: 2022/11/10 19:24
かりんとう
中学生です!
適当な頻度で書いてますm(_ _)m
将来本を出版することを夢見て、
日々素敵な言葉を見つけることにハマってます。