夜光町四丁目夜間警備求ム。5話
5話「夜が明けて」
烏丸は馬宮に片手を顔の前に一瞬持っていき「ごめん」とジェスチャーすると小部屋から出て近くのトイレに駆けこんだ。個室に飛びこんで我慢していた口の中のものを思いきり吐き出す。何度か吐いても目からあふれる涙が止まらない。
「……仁礼野さん。どうしよう、アタシ……知ってた秘密全部アイツに話しちゃった。怒ってるよね……?」
烏丸は泣きながら、仁礼野に謝る。吐いたものを水に流しても、吐き気がおさまってきても個室からなかなか出られなかった。トイレに設もうけられた小窓から長く感じられた夜が明けていく気配がする。
ーーーーかたり。
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カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2025/5/23 12:06
最終編集日時: 2025/5/23 12:09
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
羊原ユウ
ホラーと特撮ものが好き
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