罪を背負う
天真爛漫で、繊細で、心優しい――そんな貴女が人を殺められるとは思いもしなかった。震える文字で書かれた手紙が届いたのは昨日の出来事だった。
『私は大変な事をしてしまいました。貴方と敵対するあの人を……ごめんなさい、もう貴方には会えません。どうか、お元気で』
俺が彼女の邸宅を訪れた時には手遅れだった。もう少し早く手紙の存在に気付いていれば――後悔してもしきれない。
敵対している奴は病床に居る。毒を浴びたものの、死は免れたらしい。何処までも運の良い奴だ。
その思いを俺が引き継いでみせる。ナイフを片手に、たった一人眠る奴の住まいへと足を向けた。床が軋む音に心臓が跳ね上がりそうになる。気付かれてはならない。あともう少しで奴の元へと辿り着く。
蝶番の擦れる音を最小限に抑え、ゆっくりと忍び込む。
奴は思った通り、ベッドで眠っていた。あとは刃を突き立てるだけで良い。
俺ならやれる。彼女を救える。
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カテゴリー: ファンタジー
投稿日時: 2025/5/17 9:43
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
ナナミヤ
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