過去を売った女③

過去を売った女③
「なら、僕の“全部”をあげよう!それで彼女が助かるのなら、惜しむ事など無いからね。」 この男、マーティン・ウォールド・スミスは、晴れやかな表情でそう言いました。その笑顔には、少しの苦が滲んでいるように見えます。対するクロノスは、少し戸惑いを見せましたが、すぐにいつもの顔に戻りました。 「大賢者の“すべて”ですか。興味深いですね。それは勿論、知識も含まれるのでしょう?」 「ああ、勿論さ。君は人の記憶を盗む事ができる。なら、それも得られるはずだ。」 「全ては私の技量次第、という事ですか。それから私は盗んでなどいませんし、記憶ではなく時ですよ。」 「そうだね。完全に君次第になるよ。ていうかそれ、まだ気にしてたのかい?」 「ええ。何度でも訂正しますよ。」 「それで、ユシアを救ってもらえるかい?」 「…」
あいびぃ
あいびぃ
初めまして、あいびぃです! 見つけてくれてありがとう♪ 私自身、生粋のアニオタ・漫画オタなのでファンタジーが多めになってます…多分。 詳しいことは「自己紹介」にて! まだまだ若輩者なので、応援よろしくお願いします! ※❤︎&コメはめちゃくちゃ喜びますので、私を喜ばせたい方は是非! 私の事が嫌いな方はオススメしません。