鏡の花 #0

鏡の花 #0
五年前、某日。 これは幻想的で、夢のようなお話、いわゆる「夢物語」に近いもの。 −あるところに、まるで天国をも思わせるような世界があった。そこに暮らす人々は、いつも自由に暮らしていたのだった。だが不思議なことに、皆一日に一回は必ず一つの部屋に入って行ったのだった。それだけではない。私たちの暮らす世界の人間全員とそっくりなのだ。でも、私たちの世界の人より、ずっと幸せそうらしいな。仕事も勉強もないから、心が幾分か楽なのだろう。ゲーム機も、テレビも、スマホもないけど、その方がいい世界になるようだ。ただ、一つだけ。たった一つ、絶対に守らなければならない規則があった。それを破ることは許されない。 その規則は、『鏡には絶体写ること』 この規則を破ることは、詰まるところ鏡像の喪失となる。 ーーそう、ここは鏡像たちの住まう世界。この世界は、私たちと掛け離れた存在。そこへ通ずる扉は、存在するのかしないのか、といったものだ。もしかしたら、意外なところにあったりするかもしれない。
雷星
雷星
将来はどうなっているかわからないけど、小説家かラノベ作家、どっちかにはなりたいなぁ。周りより変な価値観もってる気がする、変人です。厨二病ではない……はずだ。