第3話

「タイトルが、欲しいと思ったこと……」  思いがけない問いかけに、ただ言われた言葉を繰り返すことしかできなかった。  もう頭の中がぐちゃぐちゃで、理解がまるで追いつかない。  なぜ、この『統括者』はあたしの名前を――あたしが、アンタイトルであることを、知っているんだ。  そして、「タイトルが欲しいと思ったことはないか」、なんて……。  しかし、あたしが何か答える前に、あたしを隠すように立っていた暁場くんが「ダメだ!」と叫び、あたしに振り向いた。 「ダメだ、桜庭さん! アイツの話を聞いちゃいけない!」 「え、ど、どういうこと?」
nonnki
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詩を書く人間です。小説もたまに書くかもしれません。 よろしくお願いします🙇‍♀️