どこかのだれかさん 19

どこかのだれかさん 19
シブヤは大都会なのだろうが、今あたしが彷徨っているのは、中心部から離れているらしい 古いビル、住宅、坂の道。雑多な街だった。電柱に付いている住所のプレートを見る。名刺に書かれたそれと番地以外は合っていた。 キョロキョロしながら歩いていると、手の中で異変が起きた わぁ 名刺がパタパタと揺れ出した。そして手から蝶の様に羽ばたいて、路地裏に飛んでいった。あたしは慌ててそれを走って追いかけた そのまま追いかけていくと、古い雑居ビルの外階段で名刺があたしを待っていた。入居者を下から確認する。金貸、ハーブショップ、マッサージ。女子供の行くビルでは無さそうだが、幽霊は別に構わないだろう
ポックリあたし
ポックリあたし
しんでます