僕の吸血鬼 [BL]

僕は、吸血鬼を飼っている。 ある日の帰り道、血をくれとハラヘリ吸血鬼に言われるがまま、僕は腕を差し出したのだった。だって、ツラが良かったんだもん。 今日も彼は血をねだる。腹が減ったと。 はいはい、と指を彼の口に入れて八重歯にぶっ刺した。 彼は皆には見えていないようだった。 彼は血を与えるにつれ、「お腹すいた」以外の言葉を話すようになった。 「なあ、今日は楽しかったか」 「少し、辛そうに見えるぞ」 「よしよし、俺がなぐさめるから」
榊原 霞
榊原 霞
人見知りでやんす