愛はどうだ
親の愛には敵いません。
今週の木曜日、X(旧Twitter)にて知人が、朝ドラ「虎に翼」でヒロインが母親の死を前に思わず泣きじゃくったシーンに涙ぐんだと投稿していた。その後、自分も親を亡くしたらどうなってしまうか今から心配だと結ばれていた。その気持ちよくわかる。
私は三十九の時に父親に先立たれた。その心痛は何年経っても癒えることはなかった。親孝行らしいことを何一つしてやれず、それが何よりも心残りだった。涙が乾く暇もなく、心の中はいつも土砂降りであった。
何故なのか、今ならその理由がわかるからだ。親の愛情というのはある意味無償だからだ。そりゃ確かに、将来面倒を見てもらおうと思っている人も少なからずはいよう。しかし、それくらいは思ったとて罰は当たるまいと見逃してもらいたい。
何しろ、親は何十年もかけて子どもに愛情を注ぐ。これが仮に子が引きこもりにでもなったら、死ぬまで面倒を見ることになりかねない。将来を悲観して、子どもを手にかけてしまう不幸な親も中にはいよう。しかし、親は原則として子を見捨てない。
何故か?これは人の親になったことがない私にはわかりにくいことである。ただ、想像することだけはできる。水木しげるの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」で主人公の鬼太郎が悪い妖怪に敗れて、その肉体が滅んでしまうくだりがあった。当然、父親である目玉の親父は嘆き悲しんだ。ところが鬼太郎の遺灰から地面に芽が出て、鬼太郎そっくりの花が咲く。それを見た父親は涙を流しながらつぶやく。
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カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/6/27 13:56
江戸嚴求(ごんぐ)
ノベルアップ+でエッセイなど発表している、五十路の雑文家です。江戸厳愚から江戸嚴求と改名しました。