天の心のままに【終】
大通りを外れた内の路地には、都会と呼べる程の活気を感じない。錆びてむき出しにされた管の数々は、どちらかといえば深海開拓時代に作られた開拓地域のそれである。
ふと、視界の端々に普段は感じない何かを得た。それは、自然に生い茂る雑草の数々であった。
「着いたよ」
雑草に気を取られる内に目的地に辿り着いたようで、僕はまた前へと視線を戻す。
「ここは」
するとそこにあったのは、公園であった。何の変哲もない公園。しかし、だからこそ特別な公園。塗装は大きく剥げ、残る色もとうに褪せた遊具達は、まるで待っているかのようにそこにあった。踏みしめる地面は水気の無い砂であり、見渡せばいくらかの木々と草花が生えている。
「こんな場所があったとは」
思わず漏れ出る言葉が、彼女の耳をなぞる。
「それだけ感動してくれるなら、連れてきた甲斐があったよ」
この失われたはずの空間が、どうしてか目の前にある。いや、全てが失われた訳では無かったのだろう。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2026/5/21 10:21
じゃらねっこ
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