気付けなかった優しさ

「おはよっ!」 おはよ〜、今日も元気だね、皆から声をかけてもらえる。話してくれる、その幸せをほとんどの人は気づいていないだろう。私だって知らなかった、二年前までは… 「葵、おはよー!」 私の親友、夏実だ。 「おはよ、相変わらずあんたも元気だね、夏実らしくてなんかほっとした。」 「なんやそれ!」 あははは、私達の笑いが教室に響く。夏実と私は親友だ。中学校からの親友だ。容姿もよく似ている、少し高い鼻、薄い唇、くっきりとした二重瞼、少し丸い顔の輪郭、姉妹と言われても違和感が無いほどだ。お互い、クラスの中心的なポジションで、よく笑うし、明るい、ともよく言われる。 「でさ、私好きな人出来たんだよね。」 「えぇ!?」 夏実が大袈裟に驚く。いや、大袈裟では無いかもしれない、私は好きな人か出来たことがない。好きという感情ですらよく分からない、そんな人間が「好きな人できた!」と言ったら驚くのも無理ないだろう。
TH
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