不良

私の前の席には不良が座っている。 彼女の生活態度はひどいもので、最近は先生にしょっちゅう怒られている。 この前も髪の色について先生と揉めていた。髪の色ぐらいでよくもまぁあんなに怒れるもんだ。染めた私が言うのもなんだが、綺麗な色なんだから許してほしいものだ。 その前は服装の乱れだとかで呼び出されていた。アクセサリーと化粧がいけなかったらしい。没収された時の泣き顔は思い出すだけでゾクゾクする。なだめるのは大変だったが。『あなたからのプレゼントなのに〜』なんて言われるもんだから愛おしくて愛おしくて自分を抑えるのに苦労した。 「今日も家行っていい?」 いつの間にか放課後になったらしい、目をキラキラさせながらおねだりしてきた。一度断ってしょんぼり顔を見てから帰ろう。 そうだ、今日はピアスでも開けてもらおうかな。どんな表情をするのだろうか。痛みで歪んだ顔もいいが、やはりいつ来るかわからない、恐怖に支配された顔が見たい。それに、そのまま学校に行けば間違いなく怒られるだろう。これは見逃せない。一粒で二度美味しい素晴らしいアイデアだ。 この調子だと、彼女はこれからいくつの校則を破るのだろうか。とんだ不良学生だ。
絵空
絵空