覚    女に覚えはない。覚えはない自覚がある。酒は自覚を奪い、自覚は酒を啜る。自分を隠して覚えてみせる。覚えという言葉を覚え、話し、伝え、聴いた。覚えたものは、覚えという言葉よりも先の尿意で、尿意よりも人肌で、人肌より飯だ。格言に客死して、帰らぬ友人は、駅でナンパしたホス狂い。さようなら、さよなら。ああ、さいなら。手を振る時は腰から。腰から降って陰茎。妙覚寺の隣んとこ。迎えきて。
センヒキ
センヒキ