名もなき闘いの勝者

名もなき闘いの勝者
気がつくと周りにたくさんの人がいて、みんな同じ方向を見て立っている。しばらくすると「よーい、ドン!」という声が聞こえて、一斉に走り出した。 訳が分からず、周りに流されながら走っていたがいきなり視界が暗くなり、気がつくとまたスタート位置に戻っていた。何度も繰り返しているうちに分かったことがある。どうやら、ここにいる人たちはみんなこの道の先にあるゴールを目指している。そして、誰か一人がゴールすると意識が遠のき、またスタート位置に戻っている。そして、周りにいる人たちは毎回違う人ばかりだ。もしかしたらスタート位置に戻るとは言っても複数スタート位置が存在していてランダムな位置に戻っているのかもしれない。 最初の頃は、何回走ったかを数えていたが今はもう数えていない。ゴールの先に何があるのかは分からないけれど、ゴールするしかないと本能が訴えている。 「よーい、ドン!」 始まりの合図の瞬間からいつもと違った。本能的に分かる。今回は1番でゴールできる。 ゴールした瞬間、不思議な感じがした。暖かくて明るい何かに包まれている気がする。それに声が2つ聞こえる。この声は安心感があって優しさに溢れている。
y-shimi #100文字物語
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