第五章 後編 「沈黙を破る決意」

第五章 後編  「沈黙を破る決意」
花咲家の居間には、白い花で飾られた小さな祭壇が置かれていた。 その中央にある写真の中で、花咲琴音はやさしく微笑んでいる。 しかし、彼女のその笑顔はもう戻ってはこない。 香の煙がゆらりと立ち昇り、静まり返った空気をさらに重くする。 真奈美は畳の上に正座しながら、手を合わせたまま小さく震えていた。 ――どうして、もっと話しておかなかったんだろう。 「おばあちゃん、私……まだ、聞きたいこと、いっぱいあったのに……」
エヴァンゲリオン
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