第五章 後編 「沈黙を破る決意」
花咲家の居間には、白い花で飾られた小さな祭壇が置かれていた。
その中央にある写真の中で、花咲琴音はやさしく微笑んでいる。
しかし、彼女のその笑顔はもう戻ってはこない。
香の煙がゆらりと立ち昇り、静まり返った空気をさらに重くする。
真奈美は畳の上に正座しながら、手を合わせたまま小さく震えていた。
――どうして、もっと話しておかなかったんだろう。
「おばあちゃん、私……まだ、聞きたいこと、いっぱいあったのに……」
0
閲覧数: 27
文字数: 1289
カテゴリー: SF
投稿日時: 2025/9/1 12:43
最終編集日時: 2025/9/1 12:44
エヴァンゲリオン