白蛇の町
白蛇の町
①俺
どこまでも続く緑。真っ青な空。相変わらずここはド田舎だ。
大学入学と同時に上京し,これまで一度も帰らなかった。なぜ今頃ここに戻ってきたかというと,夏休みを利用した大学の卒論の資料集めのためだ。俺は民俗学を学んでいる。
爺ちゃんは俺がここを離れる時,
「二度とここに帰ってくるな。お前から連絡してくるな。家族親戚が死んでもだ。」と何度も俺に言った。そうは言っても、卒論のためにはこの地はもってこいの地域だ。この地は八ツ塚といってかなり古くからあり、入ってはならない禁足地やふれてはならない禁忌が山ほどある(らしい)。俺が実家にいる時には、爺ちゃんと婆ちゃんにくれぐれも勝手をするなと言いつけられていた。当然俺は全く信じていないし、話の内容も忘れてしまった。
真っ青な灼熱の空の下、実家最寄りの駅に着いた。降りたのは当然ながら俺だけ。母親が車で迎えに来ていた。車内ではヒンヤリとしたエアコンの風が舞っていた。車に乗る直前,酷く冷たく鋭い視線を感じたが,車の温度差による錯覚と思い,気にしないことにした。
②母
0
閲覧数: 17
文字数: 23781
カテゴリー: ホラー
投稿日時: 2025/10/24 13:55
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
こめこ🌾
ゆるゆると書いております。まだまだ稚拙な文章ゆえ、ご意見ご感想は優しめにお願いします。(泣きます)Twitterも同名で運営してますので、よろしくお願いします🙇