檻の中の花

彼女は、彼の部屋に閉じ込められていた。 窓は開かない。ドアには鍵がかかっている。けれど、部屋は美しく整えられていた。花が飾られ、絵画が壁を彩り、毎日違う紅茶が用意される。 「君のために、世界を完璧にしたんだ」 彼はそう言って微笑む。その笑顔は優しく、どこか哀しげだった。 彼女はかつて、彼の恋人だった。別れを告げたのは彼女の方。理由は単純だった。「重すぎる」と感じたから。彼の愛は、常に彼女を囲い込もうとした。行動を監視し、交友関係を制限し、未来を決めようとした。
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
絵を描いたり、小説を書いたりするのが趣味な高校生。夜行性なので、夜に書くことが多いです。 現在は、「書く習慣」にも生息してます。名前も同じなので良かったら探してみて下さい