ゆるゆり
修了式の一日が終わった。
冷たい風に頬を乾かされないようマフラーを持ち上げると、後ろから熱の塊が包み込んでくる。笑いながら私の手を握ってくるのは、アキだ。
「ユミの手ってちっちゃくて冷たくて可愛いよね」
「そう?」
そうだよ、と溶けるように笑って頭をのしてくる。
私はわざとらしく白い息を吐いて首に力を込めるが、アキはじゃれるように扱って、決して離れようとはしない。
「んっふふ。」
「んだーもう。この後は。どうするの?」
「そうだねー。ユミん家に泊まる。」
喉に何かつまった。こういうときの咳払いはもはや定番だ。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2024/1/1 18:29
最終編集日時: 2024/1/2 4:22
ぽんとりんご
投稿も内容も不定期です