夜明けの交差点

夜明けの交差点
新宿駅東口。ネオンが瞬き、終電を逃した人々が雑踏の中をさまよう。午前2時、交差点の信号が青に変わると、ひとりの高校生が歩き出した。 彼の名前は神谷悠人(かみや ゆうと)、17歳。制服姿のまま、誰にも告げず家を出てきた。ポケットにはスマホと、折りたたまれた一枚の紙。そこには、こう書かれていた。 「午前2時、新宿東口交差点。君の“記憶”を返す。」 悠人はそのメッセージを、学校の下駄箱に入っていた封筒で受け取った。差出人は不明。だが、彼には心当たりがあった。 一年前、悠人は事故に遭い、記憶の一部を失った。特に、ある一人の少女の記憶だけがぽっかりと抜け落ちていた。写真も、名前も、すべて消えていた。ただ、彼の心には、彼女の声だけが残っていた。
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
絵を描いたり、小説を書いたりするのが趣味な高校生。夜行性なので、夜に書くことが多いです。 現在は、「書く習慣」にも生息してます。名前も同じなので良かったら探してみて下さい