夜明けの交差点
新宿駅東口。ネオンが瞬き、終電を逃した人々が雑踏の中をさまよう。午前2時、交差点の信号が青に変わると、ひとりの高校生が歩き出した。
彼の名前は神谷悠人(かみや ゆうと)、17歳。制服姿のまま、誰にも告げず家を出てきた。ポケットにはスマホと、折りたたまれた一枚の紙。そこには、こう書かれていた。
「午前2時、新宿東口交差点。君の“記憶”を返す。」
悠人はそのメッセージを、学校の下駄箱に入っていた封筒で受け取った。差出人は不明。だが、彼には心当たりがあった。
一年前、悠人は事故に遭い、記憶の一部を失った。特に、ある一人の少女の記憶だけがぽっかりと抜け落ちていた。写真も、名前も、すべて消えていた。ただ、彼の心には、彼女の声だけが残っていた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/10/6 16:32
夜の祝福あれ☾·̩͙⋆
絵を描いたり、小説を書いたりするのが趣味な高校生。夜行性なので、夜に書くことが多いです。
現在は、「書く習慣」にも生息してます。名前も同じなので良かったら探してみて下さい