140文字小説+α その108 「煩悩」
人間には、108の煩悩があるらしい。
そんな煩悩を減らして、優しい人物となるため座禅に来てみた。
これは、いい。静かで感覚が研ぎ澄まされていくようだ。
特に――足が。
足がつっている。助けてほしいとも言えない地獄の時間だった。
「はい。足を崩して楽な体制にしてください」
た、助かった。即座に足を延ばして、痛みを和らげようとする。
それでもなお、足の痛みは取れなかった。
くそ、トイレも行きたいのに足が痛い。でも、今行かないと大変なことになりそうだ。煩悩消すどころの話じゃない。一生の恥になる。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/4/20 0:02
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。