#5嘆きと決意

#5嘆きと決意
 翌朝起きると遅刻ギリギリだった。彼は僕が眠っている時に帰ったようで、部屋には僕一人だった。もう少し一緒にいたかったのだが仕方ない、と思い学校へ足を運んだ。僕ご学校に着いた時、彼はまだ来ていないようだった。いつもなら無理してでも来ているのに。  教室に入ってきた担任から、彼が亡くなったことを知らされた。 「………は?」 「……非常に残念なことですが、その、隣のクラスの佐々木君は、自宅で……」  僕は、立ち上がって、担任に詰め寄った。 「…………蓮は、今どこに……?」 「…え、あ、あぁ、隣町の市立病院に、」  それを聞いた瞬間僕は教室から走り出た。隣町へはそう遠くない。信号も無視して、何度か轢かれそうにもなったが、そんなことどうでもよかった。足を止めるな、走れと考えているのに、そんな考え5度は直ぐに白紙に戻される。  彼が死んだ?嘘に決まってる。嘘だ。病院に運ばれても、多分、恐らく眠っているだけで、少し待てば体を起こして、僕の名前を呼んでくれる。今の情けない顔を彼は少しだけ馬鹿にして、笑うはずだ。そうに違いない。
赤木
赤木
学生 初めまして。拙い文章ですが気に入って下さるととても嬉しいです。BL作品、ほの暗い作品多いと思います。思いつきで投稿することも多いです。