第6回N1 恋は盲目と言うなれど
ある中世の時代。町工場で働く男「アリゲッラ」には貴族の娘の「ディアマンティーヌ」という、それは美しい恋人がいた。
アリゲッラは木の枝のように太い指とまるで炭をかぶったように黒い髪が特徴的な筋骨隆々で背の高い男であった。ディアマンティーヌはそれと対照的で、軽く触れるだけで割れてしまうと思うぐらい細く、まるで本物の金のように輝く金色の髪が特徴的な背の低い華奢な女であった。そんな正反対な二人は身分の差はあれど仲睦まじく麗しい日々を過ごしていた。
だからと言って、いつも幸せなのではない。町工場の仕事は辛い時が多く、怪我をしてしまうこともあった。今日もアリゲッラは右手の甲を擦り切ってしまった。
「アリゲッラ様はいつも頑張りすぎですよ…」
「でも、オレはお前さんみたいに学があるわけでもねぇし、文字が読めるわけでもねぇ。明日の飯を食うには、力仕事を頑張るしかねぇんだ。」
ディアマンティーヌは、アリゲッラの手に包帯を巻きながら、心配したように言った。
「だからって無理は禁物ですよ!」
「…オレもビックリなんだがよぉ…」
アリゲッラは照れたように頬をかきながら笑うと、ゆっくりと口を開いた。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/4/5 11:37
注意: この小説には性的または暴力的な表現が含まれています
紫陽花
そこらへんに生えてる紫陽花です。
夢は漫画家、そのためにストーリーを練ってます。
小説や漫画はなんでも読みます。
バトル、ハートフル、ラブコメ、BL…なんでも御座れ!