鳴らした音の行く先は 6-9

鳴らした音の行く先は 6-9
第六章九話 ただ、近くで  扉をノックする音が聞こえる。  誰かと考えなくてもわかる。  今まではずっとそっとしておいてくれたのだ。  だから、応えないと。そう思い、体を起こそうとするが、力が入らない。  体が重い。どうにか体を奮い起こし、扉の前まで行く。  やっと扉の前まで着いたのに、扉を開けるかどうか迷った。  出ても何を話せば良いのだろう。  まともに話せる自信はなかった。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。