家出少女
ー退屈凌ぎにー
樹が硝子の奥で一つの光に照らされている。そして静かに靡いている。私にはこの穏やかな日々が、焦らしてくるように思う。葉の揺れる音が、悪魔が囁いているように思う。「お主、まだ生きておったか。」
まだ…そうか、そうだね、、
まだ生きるのか。何時やって来るのだろうか。そういった物は、彼処側からやって来ない物なのだろうか。いや、必ずやって来る。誰しもが一度は経験する事だ。私に順番が回って来ないだけなのだ。そう思いたい所存である。
そうしましたら、気晴らしとして、何時もの席に行きましょう。きっと慣れて来ます。そう思いながら日々を過ごしていた私には、孤独で有る事が丁度良かったのです。そうして居たかったのです。出来るだけ延長は避けたかった。だが、避ける訳には行かなかったのです。此の日々を過ごして行くにあたって、生きる事への好奇心を抑える事は出来ませんでした。故に、生きる事への好奇心を無くしたいと願うようになりました。其の為にはまず、大切な物を完全に捨てる必要が有った。大切な物が有れば、其の事に執着してしまい、執着すればする程、目標や夢と云う切望が増えていく物です。そうすれば、生きて行く事が意味有るように感じる。其のような幻を見せつけられたら困るのです。様々な事に眼が眩んでしまうではないか。そうすれば、何時かどん底に落とされた時、人間と云う物は酷く絶望する。
ー虚しく切実な日々ー
此の世で一番に難しい事は、人を愛す事だと私は思う。自分では上手く表現したつもりであっても、相手からすれば、其れはとても不器用な物だ。完全に人を愛す事は難しいのです。どうやれば伝えられるでしょうか。格段、声が届かぬ、届いているのかも分からぬ相手にどうやって伝えようか。どんな言葉を云っても、何か足りない気がするのである。簡単な言葉では何か物足りぬ。単純では無い、何かが必要です。そうでなければ壊れてしまう。もう壊れそうだ。どんな言葉であっても、満たされぬ。好きです。好きだよ。大好き。堪らないくらい好きだ。愛している。駄目だ、どれも駄目だ。愛する人は表現出来やしない。此の世に存在する言葉では限界が有る。ですから人は彷徨い続け、放浪者となります。目的が無い何処かへ。君の幸せには途方もくれない涙が有る。其の涙を掬うのはきっと、君が理想とする理解者であろう。唯一の理解者にならねば。何度生まれ変わっても、私は君を探し出します。時代も年齢も思考も異なる君を思って。何時か共に笑い合いたいのです。君の隣に居たいのです。私には其れだけで十分なのだ。私の隣で微笑む君は、どんな顔をしているのだろうか。君の隣で微笑む私は、どんな顔をしているのだろうか。決して結ばれる事のない君と私。此処ではない世界で君と出会えたら、どんな話をしようか。誰にも邪魔される事のない、二人だけの世界で。全てを捨てて逃げ出そう。君となら何処へだって行きましょう。君の為に全てを捨てて逃げよう。私の為に全てを捨てて逃げようとする君は、とても愛おしい。そうして共に行こう、空白の頁へと。
0
閲覧数: 101
文字数: 3850
カテゴリー: 日記・エッセー
投稿日時: 2024/8/10 6:52
黒崎舞
よろしくです🫧🐨🖤
髪よ伸びろぉおおぉぉおおぉぉお!