マジック

マジック
 僕は君のマジックが大好きだ  細い指と優しく甘い声で僕を騙す  時には自由自在にボールを操り、時にはカードの数字とマークを当てる  悪戯っぽく笑いながら、自慢げにマジックを見せてくれる  そんな僕の視線と心を奪った君は、マジシャンというよりもはや魔法使いだった  君が僕に最後に見せてくれたマジックは、自身を消すマジックだった
夕暮れ
夕暮れ