鳴らした音の行く先は 4-4

鳴らした音の行く先は 4-4
第四章四話 飛び交う思考  眠れない。そう思い、部屋を出た。今日の昼、時雨に言われたことが頭から離れなかった。 『バイトとか、家のこととか考えてる余裕あるなら、自分のことに回しなよ』  俺はそこまで自分のことに無頓着だろうか。これは俺のわがままで、自分がやりたいことをやっての結果だ。でも、そこまで時雨に心配をかけてしまっていただろうか。  気分がどうしても晴れない。もう随分と遅い時間だ。でも、このままいてもどうせ寝られない。  散歩でもしようかな。そう思い玄関へと向かった。  そこで、時雨の靴がないことに気づいた。  おかしい。俺が夜に散歩をすることはよくある。でも、時雨の靴がなくなっていることは今まで一度もない。叶衣や湊は夜にバイトに入ることもあるが、時雨はない。何しろ、時雨のバイト先は午後九時には閉まる。今はもう九時をとっくに過ぎている。  嫌な予感がして、街を走った。
傘と長靴
傘と長靴
 自分の書いた物語を誰かと共有したいと思い始めました。  拙い文章ですが、目に留めていただけると、幸いです。