犬の気持ち その20
夏の訪れを感じるかのように、太陽がギラギラと輝いていた。
「……誰の許可貰って暑くなってんねん」
青の許可は、確実に要らないだろ。この時期にへばってたら、夏本番が思いやられるぞ。
「はー、またこの季節が来たわ。また大学行くだけで、汗ダルマになるんか」
汗ダルマってなんだ。
「でも、楽しみなこともあるな。冷やし中華とか、かき氷が美味しい季節や」
こういう時、青がうらやましくなる。俺は、年がら年中ドックフードだからな。たまに焼いた肉をとかももらえるけど、本当にたまにだしな。いろいろと食に楽しみがあるのは、純粋にいいなと思う。
「……そういや、今年は庭でバーベキューやるんやろうか」
ああ、そう言えば毎年なんかやってるな。青の父親が張り切るやつ。
「火起こし手伝わないけないのはだるいんやけど、その分の見返りがあるからな。なんで外で食う肉ってあんなに美味いんやろ。ぽち、知ってるか? 肉好きやろ」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/6/7 5:47
きと
就労移行支援を経て、4度目の労働に従事するおじさんです。
あまり投稿は多くないかも知れませんが、よろしくお願いします。
カクヨム、エブリスタでも小説を投稿しています。