思い出

思い出
仕事帰り、街中を歩いていた。ふと、柔らかな香りが僕の鼻を触れた。 初恋の人の香りだった。 当時僕は中学1年生だった。初恋の人は1つ年上の先輩で、誰にでも優しく笑いかける人だった。近くを通ると、必ずふわりと優しい香りが教えてくれた。 僕と先輩はほんの少しだけ接点があった。だから、その香りの正体が先輩の使っているシャンプーの香りだと知ることが出来た。 今も鮮明に思い出すその記憶は、ただただ美しい思い出として存在する。もう、10年も経ったのだ。 僕は今も昔も弱いままで、結局先輩に想いを伝えていない。 それでも先輩はそばにいてくれる。その笑顔は、もう僕にしか向けられていない。
星影 累
星影 累
勢いと思いつきで書いてます。 文才とかないです。 小説家とかを目指してるわけじゃないのでクオリティは求めないでね…笑 アイコンは自分絵