祭の狭間
祭特有の喧騒の合間を縫って歩く。目的地までの道は人でごった返していた。
「お、兄ちゃん焼きそば食ってかないかい?」
「あー……すんません、後でまた来ます」
屋台のおっちゃんの営業を躱して人混みを抜ける。そのまま神社に足を踏み入れようとしたところで、屋台の横にいるやけに古風な狐の面に気付いた。
ばちり、と目が合う。気がした。
小さな手が面を押し上げ、幼い顔が現れる。そして大きく瞳が開かれた。
「お兄ちゃん、私が見えるの?」
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2022/1/29 18:58
綴木 継人
気ままに書いたりしてます。