一生

「一生一緒だなんて…疲れてしまいそうね。」 少し笑って、でも少しロマンチックかもね、なんて付け足して。 その笑顔を一生見ていたいと言うには、僕の勇気がなさすぎた。 二人、最近話題の映画を見に行った帰りの話だった。 感想でも語り合おうと寄ったカフェで、美味しそうにチーズケーキを食べる貴女はとても綺麗だった。 窓から差し込む、昼下がりの日の光に照らされたその髪はとても輝いて。見惚れてしまって。 自分がそこそここだわる紅茶も、その日はまともに選べないどころか味もしなかった。 それよりよっぽど、貴女の笑顔が胸を潤した。
くうきり
くうきり
最近始めました。まだ何もわからないような状態です。よろしくお願いします。