キャンプ

町外れのキャンプ場。時計の短針は九をさしていた。 山の方にあるからかあまり知られていないけど、それでもちらほらと客がいる。子連れの家族は僕たちと、お隣にキャンプしている田中さん一家。 「わー、綺麗!みちる、星がたくさんだよ!」 「かける兄ちゃん、もう寝てる人居るから気をつけなよ」 みちる…が僕の名前で、かけるが兄ちゃんの名前。双子で生まれたのに見た目も性格も、全然違う。それでも僕たち兄弟はいつも仲良しだ。 「ごめんごめん、田中さん家の赤ちゃん寝てたもんね」 「赤ちゃんの夜泣きは大変らしいよ…お母さんが言ってた」 片方が泣きだすともう片方も泣き出して大変だったわ、とお母さんは時々言う。することやることはバラバラなのに、泣く時だけは同時だったらしい。母は偉大だ。 「ところで…こっそり抜け出して来たけど、大丈夫なの?」
ねぐせ
ねぐせ
こちら永遠の厨二病による、黒歴史投稿部屋です。 最近は活動がゆっくりですが、よろしくおねがいします。